大気化学研究会ニュースレター No.2

第5回大気化学討論会の開催報告

東大先端研 梶井克純

先般1999年6月2日(水)から4日(金)にかけて静岡県熱海市のKKRホテル熱海にて第5回大気化学討論が開催されました。今年は正式に大気化学研究会が発会し、その研究会の主催のもとに本討論会が開催されました。振り返りますと4年前に東大の学士会館分館で第1回が始まってからは、温泉好きな人たちの発案によりそれ以降は温泉で開催されることが習慣となってきました。私共東大先端研グループとして今回の討論会をお世話することになったのですが、首都圏ではなかなか手ごろな値段で、参加者全てを収納して討論できるところを見つけるのは難しく、結局ありふれていますが熱海のKKRホテル熱海ということになりました。自分としてはもっとマニアックな温泉も良いと思いましたが。余談はさておき、今回からは対流圏の研究に加えて成層圏の研究発表も積極的に受け入れていくという方針で案内を出しました。その結果、全発表件数77件のうち12件が対流圏と成層圏の相互作用も含めた成層圏に関わる発表でした。着実にこのコミュニティの裾野が広がりつつあると自我自賛しております。また、会期は3日間と限られており、またシングルセッションにしたいし、一件あたりの発表時間も有る程度確保したいということから鑑み、今回からポスターセッションを導入しました。口頭発表が41件でポスター発表が36件でした。事前の皆様の希望に完全にお答えできなかったことをお詫びいたします。ちなみに、討論会の出席者は総数で117名でした。実質的な面で本当論会を開催するにあたり汗を掻いてくださったのは当研究室助手の廣川淳さんでした。この場を借りてお礼いたします。

次回は名古屋大学STE研の岩坂先生のグループでお世話していただけることとなりました。本討論会について提案、要望等があればそちらへお願いいたします。

SOLAS計画立案会議報告

東大海洋研 植松光夫

SOLAS (Surface Ocean-Lower Atmosphere Study)は,大気,気候,そして海洋物質循環過程の相互作用に焦点をあてたIGAC,JGOFS,WOCEと同様のプロジェクトとして,CLIVERにも深いつながりをもつIGBP/SCORの研究組織として発足させることを目指している。SOLASを立ち上げるにあたり,第一回の計画立案会議が1998年12月17-18日に英国,NorwichにあるEast Anglia大学で開かれた。 Peter LissとRobert Duceを座長として16名からなる委員会であるが,本会議ではそのうち13名とIGBP関係者など3名の計16名の出席があった。この会議はIGBPとSCORの援助によって開かれたが,SOLASの科学的な意義と目的を明確にし,SOLAS open international scientific meetingのプログラムの具体案を作成した。 約200名の参加を想定したopen meetingは2000年2月20-24日にドイツのKiel近郊のDAMPにおいて開かれることになる。順調に進展すれば2002年にはSOLASが国際的に活動し始める計画である。詳細はWeb siteをご覧いただきたい。

http://www.ifm.uni-kiel.de/ch/solas/main.html

以下にSOLASの主な研究課題となる6項目をあげる.

  1. How much might marine biological sulfur emissions change, and would such changes have climatic implications?
  2. How much might the atmospheric delivery of marine nutrients, such as Fe and N, change, and would such changes have global implications?
  3. Are changes in marine biogeochemistry in the next century likely to have a significant influence on the net oceanic uptake of CO2?
  4. How might changes in climate-driven physical forcing affect upper ocean biogeochemistry and air-sea fluxes?
  5. Are changes in the marine emissions of gases and particles likely to have a significant influence on atmospheric chemistry?
  6. Are changes in the spectrum and intensity of radiation likely to affect the production of trace gases in the surface ocean?

第2回大気化学研究会運営委員会報告

大気化学研究会事務局

大気化学研究会運営委員会を大気化学研究会中の6月2日に開催し、会の規約等を改正しました。なお、規約改正と新役員については大気化学研究会の席上で出席の会員に承認されました。

日時:平成11年6月2日(水)20:30-22:30
場所:KKR熱海(大気化学討論会会場)
出席者
秋元 肇、中澤 高清、植松 光夫、小川 利紘、河村 公隆、近藤 豊、松見 豊、中根 英昭、梶井 克純、北 和之、堤 之智、町田 敏暢、小池 真

  1. 大気化学研究会の規約改正を討議し、改正を行った。 (下記の規約参照)
  2. 新しい規約に基づき会長から以下の2名の役員の任命があり、これを了承した。
    幹事   国立環境研究所           横内 陽子
    運営委員 宇宙開発事業団           白井 知子
  3. 近藤豊事務局長から会計報告があり、これを承認した。
  4. 選挙管理委員に以下の4名を選出した。
    植松 光夫(委員長)、中澤 高清、中根英昭、梶井克純
    選挙管理委員会が役員の選挙規定の原案を次回大気化学シンポジウムまでに作る。
  5. ニュースレター
    ニュースレター第1号の発行・送付の報告があった。
    ニュースレター第2号の発行予定
    本年11月か12月に開かれる予定の大気化学シンポジウムの案内を記載して出すようにする。IGBP報告などを載せる。送付先として、以下を加える
    ・科研費特定領域のニュースレターの送付リスト
    ・IGBP、ESTOなどのメンバー
  6. 新しい科研費特定領域研究の創設について討議した。

以上

「大気化学研究会」規約(1999年6月2日改正)
(趣旨)
第1条 本会は大気化学に関心を持つ研究者相互の連絡及び研究促進を図ることを目的とする。

(事業)
第2条 本会は次の諸事業を行う。
(1)大気化学に関する研究連絡のためのニュースレターを発行すること。
(2)大気化学に関する研究集会を企画開催すること。
(3)大気化学研究の促進に関する研究者の総意をまとめ、関係諸機関に必要な働きかけを行うこと。
(4)その他、大気化学の研究上必要な諸事業を行うこと。

(組織)
第3条 本会はその趣旨に賛同する大気化学研究者を会員とする。
第4条 本会に会長、副会長各1名、幹事若干名、及び運営委員若干名を置く。
第5条 会長、副会長、幹事、及び運営委員は全会員の投票によって選出される。選出は別に定める選出規定によるものとする。ただし、会長は必要に応じて幹事または運営委員を2名を限度として任命することができる。上記役員の任期は2年とする。再任は認めるが、三期連続選出は認めない。
[改正前 第5条 会長、副会長、幹事、及び運営委員は全会員の投票によって選出される。選出は別に定める選出規定によるものとする。上記役員の任期は2年とする。再任は認めるが、三期連続選出は認めない。]
第6条 会長、副会長、幹事、運営委員は運営委員会を構成し、会の目的達成に必要な諸事項を協議、決定、実施する。[改正前 第6条 会長、副会長、幹事は幹事会を構成し、会の目的達成に必要な諸事項を協議、決定、実施する。]
第7条 会長は必要に応じ、会長、副会長、幹事より構成される幹事会を召集し、会の運営に緊急に必要な諸事項を協議、決定、実施することができる。[改正前 第7条 会長、副会長、幹事、運営委員は、運営委員会を構成する。運営委員会は幹事会を支援し、会の運営にあたる。]

(会費)
第8条 会員は会費として年額2000円を納めなければならない。会計年度は4月1日から3月31日とする。[改正前 第8条 会員は会費として年額2000円を納めなければならない。]
(改正)
第9条 本規定の改正は運営委員会の決定による。
第10条 本会の存続については10年後に見直すものとする。

以上

(運用内規)
1.初代の会長、副会長、幹事、運営委員は選挙によらず、互選によって選出する。任期は2年。[改正前 1.初代役員は選挙によらず、互選によって選出する。任期は2年。]
2.富士吉田シンポジウム残金は「大気化学研究会」の資産とする。
3.会費の徴収は大気化学討論会、大気化学シンポジウムなどの際に行う。
4.学生は準会員とし会費を免除する。準会員は電子メールでニュースレター等の配布は受けられるが、役員等の選挙権・被選挙権は持たない。
5.本会は1999年1月7日をもって発足することとする。[改正により追加]

現役員(*印は1999年6月2日任命、それ以外は1999年1月7日選出)

会長 東京大学先端科学技術研究センター 秋元 肇
副会長 東北大学大学院理学研究科 中澤 高清
幹事 名古屋大学太陽地球環境研究所 岩坂 泰信
東京大学海洋研究所 植松 光夫
宇宙開発事業団 小川 利紘
北海道大学低温科学科学研究所 河村 公隆
名古屋大学太陽地球環境研究所 近藤 豊
国立環境研究所 中根 英昭
国立環境研究所 横内 陽子*
事務局長 名古屋大学太陽地球環境研究所 近藤 豊
事務局 名古屋大学太陽地球環境研究所 松見 豊
運営委員 東京大学先端科学技術研究センター 梶井 克純
東京大学大学院理学研究科 北 和之
北海道大学大学院地球環境科学研究科 塩谷 雅人
気象研究所 堤 之智
国立環境研究所 町田 敏暢
宇宙開発事業団 白井 知子*

第10回大気化学シンポジウムのご案内

来る2000年1月6日(木)- 7日(金)、第10回大気化学シンポジウムを下記の通り開催いたします。

大気化学シンポジウムでは、グローバルな対流圏および成層圏大気の化学・輸送過程について最新の研究成果を発表しあい、十分時間をかけて密度の濃い議論を行うことを目的としております。また、研究者どうしの情報交換を行い、それぞれの研究プロジェクトの相互理解を深める機会となるよう希望しております。

今年度は2日間の日程で、昨年度に引き続き、口頭発表に加えポスターセッションを予定しております。一部の発表をポスターとして個別にじっくり議論を深めてもらうと共に、口頭の発表時間を長くとり十分な議論を行いたいと考えております。申し込み締め切りは11月19日です。大気化学研究の幅広い分野から、多数ご参加くださるようお知らせ申し上げます。

日程:2000年1月6日(木)午前?7日(金)午後
場所:ホテルアソシア豊橋 (JR豊橋駅ビル内)
世話人:名古屋大学太陽地球環境研究所 大気圏環境部門 近藤 豊
Tel: 0533-89-5156 (dial-in)
Fax:0533-89-5161
e-mail: kondo@stelab.nagoya-u.ac.jp

発行: 大気化学研究会ニュースレター編集委員会(堤、中根、町田、白井)
連絡先:〒442-8507 豊川市穂ノ原3-13 名古屋大学太陽地球環境研究所
第1部門気付 大気化学研究会事務局
電話:0533-89-5160 ファックス:0533-89-5161
電子メール:taikiken@stelab.nagoya-u.ac.jp
ホームページ:http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/div1/taikiken/

2017年07月10日
     
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