第14回 大気化学討論会

第14回大気化学討論会の開催報告

実行委員会委員長 金谷 有剛 (海洋研究開発機構・地球環境フロンティア研究センター)

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秋のさわやかな気候に恵まれた2008年10月29~31日の3日間、海洋研究開発機構・横浜研究所にて、第14回大気化学討論会を開催いたしました。113件 (口頭48件、ポスター65件) の発表内容は、陸域生態系と大気化学の関係から、オゾン等微量気体やエアロゾルに関する観測・実験室研究、それらのシミュレーションと解析、沿道汚染計測、温室効果気体の新しい測定法や変動解析、成層圏や極域の微量成分変動に至るまで、さまざまなアプローチ・時空間スケールに渡るものでした。新しい科学的知見や示唆に富んだ報告がなされ、活発な議論が展開されました。

とくに2日目の口頭発表会場は熱気を帯びました。午前から午後途中まで「大気化学と衛星観測」特別セッションが繰り広げられ、SMILES, 静止大気環境衛星計画、GOSATに関する最新の準備状況報告と今後目指すサイエンスについてのディスカッションがありました。また、夕方には、東大海洋研のSarin客員教授にインド洋での炭素性エアロゾル観測に関する招待講演を頂きました。3日間全体では、事前参加を承っていた120名に加え、当日参加者数が76名にも上り、計196名の方にご参加いただけたのは期待以上でした。これまでの大気化学討論会・シンポジウムを通じて最大規模の集会になったようで、日本の大気化学コミュニティも発展を続けているとの感を強くしました。また、これまでの集会と比較して英語での発表も増え、国際色も高まってきている、との印象も受けました。

今回はアクセスの便利さなどの観点から、都市型・非合宿形式での討論会開催とさせていただきました。おかげさまで多くの方々にご参加いただけた反面、参加者1人当たりの平均滞在時間はやや短く、また口頭発表もショート講演 (10分発表+5分質疑応答) が多かったこともあり、「研究内容についてじっくり密な討論を行う」という討論会の趣旨がやや損なわれてしまった点は否めません。一長一短とは思いますが、今後の会合開催の際に反省点として生かしていけたらと思っております。

最後に、本討論会の開催に当たり、要旨集印刷費・ポスターボード運搬費・旅費の支給などでお世話くださった名古屋大学太陽地球環境研究所、会合運営費の一部を補助いただいた大気化学研究会、口頭・ポスタープログラムを効果的に組んでいただいたプログラム委員と特別セッションコンビーナーの皆様、裏方の仕事を適切にこなしていただいた実行委員の皆様、口頭会場でのマイク係などお手伝いいただいた梶井研究室の学生さんに感謝いたします。また、数々のすばらしいご発表が会合自体の求心力となりました。改めて皆様にお礼申し上げます。

口頭発表会場

ポスター発表会場

2017年07月10日
     
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