第16回 大気化学討論会
第16回大気化学討論会開催報告
大会実行委員会委員長 梶井 克純 (首都大学東京 大学院都市環境科学研究科)
2010年11月17日から19日の三日間、東京都八王子市南大沢に位置する首都大学東京のキャンパスにて、第16回大気化学討論会を開催しました。参加登録された方は三日間全体で187名であり、例年並みでした。発表は、口頭発表60件とポスター発表70件の合計130件と、例年より口頭発表が多かったことが特徴的です。プログラム委員会の皆様の尽力で、限られた時間の中に多くの発表を効率的に組み込むことができました。
今回の討論会はVOCs、長寿命気体、オゾン、海洋大気化学、SMILES、エアロゾル (測定法・光学特性)、エアロゾル (化学反応)、エアロゾル (輸送・特性)というキーワードに従ってプログラムを組み立てていただきました。この中で海洋大気化学は学会員から提案があり採択した特別セッションです。さらにアイルランド大のWenger博士(スモッグチャンバーによるVOCの光酸化とエアロゾル生成) と、ジョージア大学Miller博士(海洋のクロロフィルによる一酸化炭素の光化学生成)の招待講演がありました。
今回はいくつか実験を試みました。低炭素社会に向けて、紙媒体による講演要旨集をなくすための第一歩として、今回はUSBメモリーにプログラムとアブストラクトを記録して配布いたしました。早急に紙媒体を停止できませんので、今回は紙媒体とUSBの併用を行いました。懇親会については会員の懇親を図ることを念頭に置き、学生、中堅およびシニアーの研究者が垣根を越えて議論できる場とするべく、学生の懇親会費を無料としました。御蔭さまで105名の参加がありました。また、ポスター賞を設けました。今回のポスター賞は、実行委員会で企画して行いました。五件の優れたポスターを選び、懇親会にて披露し、賞状と賞品の授与を行いました。
二日目には、午後の講演の最中に多摩地区全土に渡る30分間の停電に見舞われたものの、無事に討論会が開催できたのは、ひとえに実行委員やプログラム委員の皆様の協力があってのことです。この場を借りて御礼申し上げます。