第17回 大気化学討論会
第17回大気化学討論会開催報告
大会実行委員会委員長 高橋 けんし (京都大学 生存圏研究所)
第17回目を数える大気化学討論会を、京大宇治キャンパスにて開催致しました。会場係を務めてくださった奈良女子大、大阪府大、京大の大学院生の皆さん、ならびに、事務補助で多大な労力を費やして頂いた名大STE研の田中さん、京大RISHの羽田野さんにお礼申し上げます。
今回は“首都圏”から離れての開催となりましたので、どのくらいの参加者が集まるか不安でした。しかし蓋を開けてみると160名の参加があり、招待講演3件、一般口頭講演46件、ポスター講演70件と、個人的な予想を外して例年並みの盛況となりました。講演申し込みの締め切りから開催日までの時間が短かったため、実質的に一週間ほどでのプログラム編成となり、プログラム委員の先生方には非常なご負担をお掛け致しましたが、大会後のアンケートを拝見したところ、講演申し込み締め切りからプログラム公開が早くて助かったというご感想を頂戴し、救われる思いが致しました。
口頭会場は快適、かつ、大きすぎず小さすぎず適切な広さであったという感想を頂戴致しましたが、ポスター会場は、想定外の事情が重なり、当初目論見よりもかなり狭くなってしまいご不便をお掛け致しました。あれこれ言い訳をしたいところですが、懇親会のときに私の愚痴を聞いて下さる心温かい方々がいらっしゃいましたので、ここには書かないことに致します(苦笑)。
セッション内容については、従前より大気化学討論会で取り上げられてきたテーマに加えて、生物圏―大気圏相互作用のセッションを初めて設けました。セッション名の掲揚は、一見どうでもよいように思われるかもしれませんが、コミュニティーが関心を持っているテーマを簡潔かつ直感的にアピールする意味で、(特にこの分野をよく知らない方々へ向けての)メッセージ性を含んでいると個人的には考えております。そう考えると、セッション名は毎回の討論会で同じである必然性はなく、スクラップアンドビルドでよいと思っております。また今回は、特別セッション「森林生態系と大気化学」を企画致しました。これはプログラム委員の先生方との議論で挙がってきたご意見をもとに立案したものです。特別セッションは、従来の討論会で討論されてきた主題から少し“はみ出す”ことを意識し、その分野で先端的な研究をされている先生方をお招きしつつ、ご講演すべてを招待講演とさせて頂きました。限られた時間の中での挑戦的な企画でしたので、必ずしも十分な討論ができたとは言い難かったかもしれませんが、好意的な感想をいくつか耳にしたことは望外の喜びでした。企画運営において斉藤拓也さん(国環研)の貢献が大きかったことを記してご紹介申し上げます。
最後に、要旨ブックについてのトリビアのご紹介を。源氏物語のまちでの開催ということで、むらさき色の表紙を選びました。もっと濃い色目を考えていましたが、紙質を変えて白抜き文字にする必要があったため、今回の表紙に落ち着きました。
討論会のさらなる発展を祈念致しつつ、次回当番校へバトンをお渡しします。この度は多数のご参加と活発なご討論、誠にありがとうございました。
第17回大気化学討論会ベストポスター賞
厳正なる審査の結果、第17回大気化学討論会ベストポスター賞に選ばれた方々をご紹介します(アイウエオ順)。おめでとうございます!! 大会事務局より、賞状を授与させて頂きました。
中山 桃子 さん (北大)
丹羽 洋介 さん (気象研)
服部 祥平 さん (東工大)
室町 篤 さん (東北大)
大気化学討論会の発表会場